仕事と人

Interview

社員の想い

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法律や規則が生まれてきた
背景まで理解することで、
より実践的なプロフェッショナルになれる。

上場部
法学部卒
1998年入社

現在の仕事

上場会社が公募増資や会社合併といったコーポレートアクション(CA)情報を公表する際の取引所に対する手続きのサポート、CB(転換社債型新株予約権付社債)やライツ・オファリングの上場手続きのサポートなどを行っています。CAの実施に伴うご相談に当たっては、上場会社の顧問弁護士とお会いすることも多く、会社法や金融商品取引法、さらに運営上のさまざまな規定に関する知識が欠かせない業務です。

過去に学んだことが現在の仕事に活かされていることはありますか?

業務においては、規則の文言だけを知っているだけではダメで、「この規則はどうして出来たのか?」「なぜ、こういうことが規定されているのだろうか?」という法律や規則の本質・クセ・精神をきちんと理解することが大切です。こういった背景を調べるうえで、大学で学んだ法律の知識が活かされていると思います。また、CBの上場手続きに当たっては、上場会社から新型CBの上場打診の相談もよくありますが、過去に売買部門においてCBの売買の仕組みやその特性の基礎を学んだことがとても活かされています。このように、日本取引所グループでの仕事は、学生時代の経験や若手の頃の業務、その1つ1つが活かされる職場だと思います。

現在の仕事の難しさとやりがいはどんなところですか?

私たち上場部の仕事は、上場会社の皆様にとって「利便性の高い」制度の設計をすると同時に、「公正性」の観点から安心して市場を利用していただくために必要な制度を設計しなければなりません。「利便性」と「公正性」。これは時として相反することもあります。ですから、その制度の過去の経緯や国内外の動向を注意深くチェックし、バランスを取りながら制度設計していくことが重要です。日々勉強の毎日ですが、それでも、学んだことが新たな上場商品として具体的な成果につながるのですから、私は非常におもしろい仕事だと思っています。 

仕事を進める上で大切にしていることはなんですか?

仕事には最初から「答え」があるわけではなく、何もないところから「答え」を築いていかなければならないケースが多々あります。私の業務についていえば、上場会社が起こすさまざまなアクションの中には前例のないものもよくあり、そんなときには定型の業務処理では対応できません。そうしたイレギュラーな事象に対しても、怯まず、最善の解(対応策)を追求していく姿勢を持ち続けることがとても大切だと考えています。

最も印象に残っている出来事を教えてください。

とあるプロジェクトにおいて、銘柄に関するCA情報や属性情報の膨大なデータを社内のシステムに登録するなど、様々な準備作業が発生しました。整理しなければならないあまりの情報量に、一時手が回らなくなりかけましたが、そんな時、グループ長である私の指示を待つまでもなくメンバーが自主的に問題点に気づき、連携しながらカバーしていってくれたのには感動しました。そのお陰で大きな混乱もなく無事にプロジェクトを完遂できました。日頃からのコミュニケーションの構築や、メンバー各人の役割への共通理解が奏功したのではないかと思っています。

Career Step

キャリアステップ

1998-1年目
旧債権部(現株式部)に配属。転換社債の売買監理業務を担当。
2000-3年目
上場部に異動。上場会社サポート担当として、情報開示の相談窓口を務める。
2003-6年目
日本銀行業務局に出向。国債の業務企画を担当し、国債の入札・発行の実務や振替決済に関する知識を習得。
2005-8年目
日本証券クリアリング機構(JSCC)に出向。経営管理業務に従事し、国内における清算・証券決済制度に関する知識を深める。
2007-10年目
再び上場部に異動。機械・精密機器分野の上場会社担当を経て、上場会社のCAの情報処理を中心とする仕事に従事。