チャレンジングな人材が求められる、
デリバティブの世界。

大阪取引所 総合管理室
企画統括役

神倉 隆

世界に先駆けた先物取引の原点

日本における取引所の起源は、江戸時代に大阪に設けられた堂島米会所であり、世界における組織的な先物取引所の先駆けとして広く知られています。2013年1月に、当時の東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合して誕生したJPXも、デリバティブ市場の運営をする大阪取引所(OSE)の拠点を、組織的な先物取引所発祥の地「大阪」に構えています。OSEの提供するデリバティブ市場は、日経平均株価先物に係る取引高の世界シェアの約80%を占めており、日本におけるデリバティブ取引の中核を担っています。加えて、2020年7月には、東京商品取引所からコモディティデリバティブ商品の移管が行われ、現在は株価指数、有価証券、国債、金利及びコモディティを対象とする幅広い上場デリバティブ商品を取り扱う総合取引所として活動を続けています。

JPXグループにおける西の拠点

現在、大阪拠点にはデリバティブ市場を運営するOSEをはじめとして、グループ傘下企業の上場会社関連機能や自主規制機能など、関西圏における中核的な業務機能の拠点を置いています。また、JPXは、自然災害等の様々なリスクが発現した場合であっても、社会インフラとしての責務を果たすため、BCP(緊急時事業継続計画)を策定し、システムのデータセンターのバックアップシステムや、リモートオペレーション体制も構築しております。大阪拠点はJPXグループにおける「西の拠点」として、首都圏広域災害時には、グループ全体の運営を統括する機能を有しています。

企業の新規株式公開を支援する「大阪IPOセンター」を立ち上げるなど、関西圏での活動強化と地域への貢献に向けた取組みを進めています。モノ作りに定評のある関西の企業や先進的なIT企業やメーカーによる上場のサポートを今後も継続・強化し、日本企業・日本経済の底上げを図ることも、JPXの大きな使命のひとつです。自身の力を、経験を、日本の未来のために活かしたいという人々に、JPXは広く門戸を開いています。

常にチャレンジが求められる
デリバティブの世界

大阪拠点においてOSEが運営するデリバティブ市場は極めてチャレンジングな世界です。デリバティブ商品は、証券や商品、通貨など、様々な資産を対象に開発されてきました。 このように常に新しいデリバティブ商品が開発される背景には、多様なリスクヘッジへのニーズの高まりと、世界の投資家の飽くなき収益機会の追求があります。市場参加者のニーズに応じて新たな商品が開発され、これに応じてマーケットルールも見直されます。例えば日本を代表する先物取引に世界中の投資家が取引している「日経225先物」がありますが、OSEでもより使いやすさを求める投資家ニーズに応えて小口化した「日経225mini」や「日経225マイクロ先物」を上場するなど、常に新たな試みに取り組んでいます。 こうした流れを受けてデリバティブ市場は年々拡大しており、活躍フィールドも大きな広がりを見せています。

トライ&エラーを恐れない人材を

いまJPXは、攻めにも、守りにも革新を起こせる人材を求めています。それは大阪拠点での業務においても同じです。特にOSEにおいて、市場の安定運営という“守り”は日本経済にとどまらず、世界の金融市場にとって不可欠なものであることは言うまでもありません。同時により魅力的な市場の整備、新たなマーケットの創出という“攻め”の姿勢も、現物・先物に共通するテーマです。しかし、あえて言えば、デリバティブという伸び代の大きい分野ではトライ&エラーが許される、というより、積極的に求められる傾向が強いという特徴があります。大阪拠点ではキャリア人材の多様な経験やスキルを様々な分野で発揮し、これまでにない化学反応を起こしてもらうことを期待しています。